騒動+偶然=出会いの方程式

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 俺はエリザベスに近づいた。  俺よりもちょっと高い身長。はち切……ふくよかな体型は制服を膨らましている。髪の毛はいつものように、綺麗に三つ編みにしていた。まつ毛が長く、頬にはそばかすがある。そして、重度の……。 「海山先輩、直也さまがどこにいるか、ご存じですか?」  直也好きである。ライバル潰しをするほど好きなのである。ゴスロリ服を着させるほど、好きなのである。 「直也は確か、エリザベスが飼っているんじゃなかったか?」 「直也さまを飼うなんて、ありえません」  俺の記憶が確かなら、学校に登下校している時に、直也を抱えているエリザベスの姿を何回も目撃している。あれは可哀想な光景だった。それに、ここ二週間、直也と話していない。つまり、直也の居場所など知らない。 「直也の居場所なんて、まったく知らないな」 「海山先輩、嘘は吐かないでください。じゃないと……」  エリザベスが誰もいないところに、裏拳を放った。  海山家の向かいに住んでいる立川家の表札が粉々に飛び散った。  マジですか!? 「えり!すごいのじゃ!」 「ああなってしまいます。知らないなら、呼び出してください。何があってもです。私はどうしても、直也さまに会いたいのです」 「エリザベスお嬢様、私めに策がございます」 「聞きましょう」  この後、メールで直也を誘きだして、エリザベスに差し出した。俺は解放され、千世と一緒に学校に無事登校した。 しかし……。 「この野郎!逃げんな!」  エリザベスから逃げ出すことに成功した直也は、俺を学校で追い回している。  罪がない俺を追い回している意味がわからない。あの状況ではあれしか方法はなかったのだ。あの裏拳を直に食らっていたら、確実に生涯を終えていただろう。
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