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「おはよう」
「ママ~おはようなのじゃ」
千世は母さんの姿を発見すると、俺から離れて母さんに抱き付いた。そんなに母さんが恋しいのなら、母さんと一緒に寝ればいいだろ。
「あら千世ちゃん、おはよう。今日も可愛いわー。それに和輝もおはよう」
「千世のついでかよ!?」
「そんなことないわよ。和輝も大事な息子なんだからー」
母さんは笑顔で言った。
四十過ぎとは思えない顔立ちとスベスベの肌。髪も傷んでおらず、肩までのばした髪の毛はいつもサラサラヘアーを保っている。
料理上手で綺麗好きというまさに主婦鏡だ。
「それにしても、千世ちゃんは可愛いわー」
母さんは千世をだっこして、台所に行った。
俺も朝の日課のために台所に移動し、コップに水を入れた。そのままリビングの棚に置いてある植木鉢に注いだ。
「四つ葉のクローバーが三つも咲いているなんてすごいよな」
植木鉢の中には、四つ葉のクローバーが三つも咲いていた。
この植木鉢は俺が拾ってきたもので、願いを三つ叶えてくれる品物だ。
俺の願いを三つ叶えてもらったのだが、家に持って帰って育ててみたら、四つ葉のクローバーが咲いたわけだ。
千世が家に来た当初は騒がしいできごとがたくさんあったが、ここ最近は平和な日々を過ごさせてもらっている。
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