騒動+偶然=出会いの方程式

4/35
前へ
/375ページ
次へ
「おはよう」 「ママ~おはようなのじゃ」  千世は母さんの姿を発見すると、俺から離れて母さんに抱き付いた。そんなに母さんが恋しいのなら、母さんと一緒に寝ればいいだろ。 「あら千世ちゃん、おはよう。今日も可愛いわー。それに和輝もおはよう」 「千世のついでかよ!?」 「そんなことないわよ。和輝も大事な息子なんだからー」  母さんは笑顔で言った。  四十過ぎとは思えない顔立ちとスベスベの肌。髪も傷んでおらず、肩までのばした髪の毛はいつもサラサラヘアーを保っている。  料理上手で綺麗好きというまさに主婦鏡だ。 「それにしても、千世ちゃんは可愛いわー」  母さんは千世をだっこして、台所に行った。  俺も朝の日課のために台所に移動し、コップに水を入れた。そのままリビングの棚に置いてある植木鉢に注いだ。 「四つ葉のクローバーが三つも咲いているなんてすごいよな」  植木鉢の中には、四つ葉のクローバーが三つも咲いていた。  この植木鉢は俺が拾ってきたもので、願いを三つ叶えてくれる品物だ。  俺の願いを三つ叶えてもらったのだが、家に持って帰って育ててみたら、四つ葉のクローバーが咲いたわけだ。  千世が家に来た当初は騒がしいできごとがたくさんあったが、ここ最近は平和な日々を過ごさせてもらっている。
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1151人が本棚に入れています
本棚に追加