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?「はぁ!はぁ!急げ!袁紹様は官渡でお待ちだぞ!曹操を討って袁紹様の天下を!」
そう言った男は馬に鞭をいれ軍を急がせた。
時は西暦200年・中国大陸は戦乱の世を迎え、各地の群雄達は我こそが天下を手に入れんと割拠していた。
その中でも兵力・将数・国力、そのすべてが各地の群雄よりも抜きん出ていたのが、四世三公の名家・袁紹である。
袁紹は今、時の帝・劉協を擁し着実に力をつけている曹操と官渡の地で雌雄を決しようとしていた。
袁紹軍の兵力は五十五万・将の数は三百を超え、兵糧は百万石以上を有していた。
対する曹操は兵力・将数・兵糧共に袁紹軍の五分の一程度であり、勝敗は火の目を見るより明らかであった。
しかし初戦の白馬・延津の戦いで曹操は客将である関羽の活躍で袁紹軍の猛将・顔良・文醜を討ちとり、勢いに乗ったかにみえたが兵力で上回る袁紹は沮授・田豊らの策を用いて曹操軍を圧倒、官渡まで進軍していた。
袁紹「援軍はまだ到着せんのか!?」
田豊「はっ!先ほど到着し我が陣の後方十里のところに陣を築き大将がこちらに向かっております。」
袁紹「そうか。して援軍の大将は誰か?」
沮授「威東将軍・天趙でございます。」
袁紹「天趙か…烏丸との小競り合いはどうなった?」
許攸「天趙の活躍により烏丸は心服いたしました。」
袁紹「そうか。しかし天趙は我に忠誠を誓っておるのか?」
袁紹がそう言ったとき一つの怒号が上がった。
?「袁紹様!私の忠誠をお疑いになるのですか!?」
そう叫んだのは袁紹軍・威東将軍・天趙であった。
袁紹「てっ…天趙…いつからそこに?」
天趙「威東将軍・天趙、ただいま到着いたしました。袁紹様!私は乞食であった私を拾ってくださった袁紹様を父のように思っております。私の忠誠を疑うのならば今すぐ曹操と戦い首をとってまいります!」
袁紹「天趙、私を許してくれ…一瞬でもお前を疑ってしまったことを…」
天趙「いえ、私こそ袁紹様を父などと恐れ多いことを…」
袁紹「良い!天趙、お前は私の息子だ!」
天趙「袁紹様…そのお言葉…何よりの宝です…」
天趙は袁紹の言葉に涙し更なる忠誠を誓うのであった。
ここで天趙のことを少し話しておく。
天趙・字を獅羅・180年、平原にて産声をあげる。
父は袁紹配下であった。
184年に起こった黄巾の乱で父を失い、家族を失った。
その後、乞食に身を落とし、成人する。
その頃袁紹に出会い袁紹軍の将となる。
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