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天趙の初陣は197年、袁紹が公孫サンを討ち冀州一帯を手にしさらに北方の烏丸を臣従させるために出陣したときであった。
この時天趙は先鋒を務め、真っ先に烏丸に乗り込んだ。
烏丸は袁紹軍を待ち受け三十万の軍勢を進発させていた。
天趙は先鋒三万で突撃、烏丸先鋒の五万の軍勢と激突、敵将の益来曹将・雷劉を討ち先鋒を打ち崩す。
そして後続の張コウ・高覧・顔良・文醜・淳于瓊等と共に烏丸軍を一掃、張コウ等は対曹操戦に向けて退却したが、天趙だけは二十万の兵を率い留まり烏丸を臣従させて帰陣した。
そしてそのまま十万の兵を率いて袁紹の援軍に赴いたのだった。
天趙「袁紹様、顔良・文醜の両名が討たれた今、曹操は勢いづくことは必定。
官渡まで圧してきているとは言え、後方には荀イク・于禁・夏侯淵等が控えております。
今こそ軍を三手に分け許昌・洛陽、そして曹操の本陣を攻め曹操を一気に滅ぼしてしまいましょう!」
袁紹「う~む、天趙の言うことも一理ある、しかしもう少し様子をみようと思っているのだが…どうだろう?お歴々…」
田豊「私は天趙殿の意見に賛成でございます。
曹操は今でこそ大人しくしていますが、こちらが少しでも油断すれば牙を剥いてきましょう。」
沮授「私も天趙殿・田豊殿の意見に賛成です。
今なら許昌・洛陽も簡単に落ちましょう。」
許攸「お待ちください。
曹操弱しと言えども許昌・洛陽が簡単に落ちるとは思えません。
更には曹操は皇帝を擁しています。
曹操の知恵袋である荀イクが皇帝に勅命を発令し我が軍を朝敵にすることもありえます。」
審配「その通りです。
まずは曹操の本陣を叩き、曹操を討ち、しかる後に許昌・洛陽を落とし皇帝を擁せば袁紹様の名は天下に知れ渡りひれ伏さぬ者はいなくなるでしょう。」
袁紹「うむ!私は許攸・審配の意見をとる!」
天趙「袁紹様!それでは…」
袁紹「何も言うな!
天趙よ、これは既に決定されたことだ!
これ以上の意見は私への反逆として扱う!」
天趙「はっ…
それでは私は軍の訓練がありますので、失礼いたします。」
袁紹「うむ、いつでも出陣できるように訓練しておけ!」
天趙は納得できないまま陣へと帰った。
天趙が陣へ帰り陣幕へ入ると、そこには張コウが待っていた。
天趙「これは張コウ殿、何時こちらへ?」
張コウ「ついさっきついたところだ。
寄ったついでに天趙の顔でも見ておこうと思ってな。」
天趙「そうでしたか。
今酒でも用意させましょう。
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