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お願い申しあげましたぞ!」
張コウは言うなり馬を走らせた。
夏侯惇「張コウ殿!
行ってしまったか…
この夏侯元譲、約定は果たし申そう。
我らはこれより袁紹軍への攻撃を開始する!
全軍!迂回し側面から奇襲をかける!
行くぞぉ!」
夏侯惇は軍を進発させた。
一方、張コウ・高覧軍は天趙に不意を突かれた形で浮き足立っていた。
張コウ「皆の者!慌てるな!体制を立て直して敵に当たれ!」
張コウの言葉に兵は従い天趙軍の攻撃を何とか最小限の被害に留めた。
張コウ「良し、天趙軍に向けて突撃開始!」
張コウの合図とともに兵たちは天趙軍へなだれ込んでいった。
しかし統率の行き届いた天趙軍を切り崩すことは至難の業だった。
張コウ「やはり天趙軍を崩すのは難しいか…しかしここで諦めるわけにはいかん…全軍!奮起せよ!」
張コウ・高覧軍対天趙軍の闘いは熾烈を極めた。
次々に倒れていく両軍の兵たち、そしてこの闘いの流れは天趙軍へと傾きかけていた…
張コウ「くそっ…高覧!
我らで天趙を討つぞ!
でなければ、この闘いは負ける…」
高覧「承知!参りましょうぞ!」
張コウ・高覧の両名は天趙を探し天趙軍を疾駆した。
張コウ「天趙!どこだ!我らと勝負しろ!」
張コウが叫んだとき一騎の騎馬武者が躍り出た。
その姿は凛としていて威風堂々、面で顔を覆い表情まではわからないが、恐らくは余裕の面持ちであろうと張コウ・高覧の両名は感じた。
天趙「威東将軍・天獅羅、推参!
いざ尋常に勝負!」
張コウ・高覧「いざ!」
張コウ・高覧の両名は天趙へ向かって馬を走らせた。
張コウの槍が天趙の腹を狙い、高覧の剣が天趙の首を狙った。
その時、天趙の姿が消えた。
張コウ「何!?天趙はどこへ…」
その瞬間、隣にいた高覧の首が飛んだ。
張コウ「なっ…高覧!」
そう叫んだ刹那、首筋に殺気を感じ張コウは槍を合わせた…
キィィィン…
刃と刃がぶつかり合い弾ける音…その音が張コウの耳に残った。
天趙「お見事、よく受けきった。」
声のするほうをみると天趙が弐の撃を構えていた。
張コウは体制を立て直して迎撃、弐・参合打ち合い間合いを離した。
張コウ「天趙!よくも高覧を…
許さぬぞ!」
天趙「戦の世はいつも非情なもの、一時の感情に呑まれていては、いつか戦場で命を散らすことになりますぞ!」
張コウ「童が生意気な!
この張儁艾がその口を塞いでやるぞ!」
張コウは言うなり馬を走らせ天趙へ突撃した。
天趙も
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