官渡の戦い

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いったん白馬まで撤退し体勢をたてなおす。 そうでなければなだれ込んでくる曹操軍の猛攻はしのげない。 天趙は意を決して袁紹の元へと向かった。 袁紹は四方を護られ雷核・杏泉・倭劉が近づく敵を薙ぎ倒していた。 天趙はあと少しで袁紹の元にたどり着くというところで敵将に阻まれた。 ?「我が名は樂進! 敵将とお見受けした! いざ、尋常に勝負!」 天趙「くっ…時間がないというに! 我が名は天獅羅! その勝負お受けする!」 樂進「天獅羅か… 聞かぬ名だ… ならば一撃で終わらしてくれる!」 樂進は言うなり駆け出した。 勝負は一瞬だった。 樂進が振り下ろした長刀を天趙が払い飛ばした。 樂進「なっ…相手の武器が見えなかった… 負けたのか?」 樂進は驚嘆し落胆した。 天趙「首はとらん! 更に腕を上げ合い見えん!」 天趙は言い残し駆け出していた。 樂進「天獅羅か… あい分かった… またいずれ…」 樂進は既にいない天趙に再戦を誓った。 天趙は袁紹の元へとたどり着いた。 袁紹は少し放心していた。 天趙「袁紹様!ご無事で?」 袁紹「おぉ…天趙か? いきなりの奇襲に我が軍は浮き足立っている… なんとかたてなおし曹操軍を打ち破ってくれ…」 袁紹は弱々しく言った… 天趙はその言葉に袁紹の覇気が衰えていくのを感じていた… 天趙「袁紹様…こうなってしまってはどうにもなりません… 更に後詰めがこちらに迫っております… ここは一度白馬までお退きください… そこで体勢をたてなおし曹操軍に備えましょう…」 袁紹「退く?この私が曹操如きのために退くだと? ありえん! 私が退くなどありえんことだ! さては天趙…貴様曹操に降る気なのだろう!」 天趙「袁紹様…私は…」 袁紹「五月蝿い! 裏切り者の言うことなど聞きたくもないわ!」 袁紹は言い終わると剣を抜いた… 袁紹「貴様をここで叩き斬ってくれる!」 天趙「袁紹様…私は二心など抱きません! 私を息子と言ってくれた袁紹様を裏切ることなどどうしてできましょうか?」 袁紹「息子?貴様が私の息子だと? 厚かましいにも程があるぞ! 乞食であった貴様が名族である私の息子だと!? 考えただけでも反吐がでるわ!」 その瞬間、天趙の中で何かが砕けた… 分かっていた… 袁紹が機嫌取りの為に自分を息子だと言ったことを… しかし、現実はそう簡単には受け入れられなかった… 天趙は腰の剣を抜いていた…
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