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ちょうど 錦城が綾乃にサンタの話しをふったころ 湧一はマンションの玄関の前で 待機していた
「あれー おかしいなぁ どこいったかなぁ」
湧一は手元のmp3プレイヤーを焦りながら操作する このmp3プレイヤー FMトランスミッターがついているため FMで再生している音楽を飛ばす事ができる この中に 鈴の音を入れた それさえ再生できれば クレスタのラジオに繋っているオーディオから 鈴の音が再生されるはずだが あまりにも 中に入っているファイルがゴチャゴチャしすぎて見つからない
「やっべぇ もう約束の時間じゃん あれぇ どこやったけぇ」
思いだそうにも どこにやったか思い出せない………
しばらく格闘したのち
「………あった ふぅ あぶねぇ~~」
ファイルを呼び出し 再生ボタンを押す
「シャンシャンシャンシャン……」
スピーカーから 淡く 鈴の音が響いてくる マンションのあちこちから 窓を開ける音が聞こえる
「さて……イクか」
白い袋を肩にかつぎ ゆっくり 湧一は歩きだす
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