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ゆっくりと湧一は歩く スムーズに事が進むように ドアは開けっぱ ドアを閉めたら すぐに手を振れるように 窓も開けっぱ そして すぐに走り出せる様に エンジンもつけっぱだ
「サンタさ～～～ん!!」
男の子が 湧一に向かってく叫ぶ
ゆっくりと 後ろを振り向き 朗らかな表情で ゆっくり手を振る
5階建てのマンションのあちこちのベランダから 子供達が 湧一サンタを眺めている
余りのショックに固まる者
肩が外れそうな大振りで手を振る者
そして今にも飛び降りて こちらに走ってきそうな者など さまざまだ
綾乃は落ちそうなほど 体を乗り出し 手を振っている その後ろで 錦城が 必死に落ちない様に体を押さえている
『さてと 車に乗り込むかな』
手を振りながら 車に乗り込み 体を乗り出し手を振りながら ゆっくりと湧一は サンタカーを発進させる
「キャァァァァァ」
何故かどこかの女の子が叫ぶ
そんな 熱烈な別れを堪能しながら サンタカーは マンションから だんだん離れていく………
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