1章 1節 紫黄の旗上

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紫黄 「さすがだなぁ卯恩!!」 卯恩 「何がだ?」 紫黄 「あいつ等をちゃんと説得したじゃねぇか!!」 2人は兵舎に向かいつつ話合っていた。 卯恩 「アホゥ!!あんなのは茶番だ。それよりも現実を見ろ紫黄。俺達は10000しか戦える兵士がいないんだぞ!!」 紫黄 「・・・・・だから?」 卯恩 「・・・・・・・・」 完全に呆れていた。 卯恩 「いいか、黄巾賊はどれ位の兵力か分からないし、どれ位強いのかも分からないんだ。」 紫黄 「ふむふむ。」 卯恩 「戦というものは言わば情報戦だ!!何も分からずに戦うなど愚か者のする事だぞ!!」 どうやら卯恩も太守の命令が納得できていないらしい。 紫黄 「でもよ、卯恩。俺はこの江陵が好きなんだ。小さい時からここで育った。いろんな思い出がある。そんな土地をあいつ等みたいな奴に荒されるのはゴメンだ!!」 卯恩 「・・・・・・・・」 紫黄 「お前も言ってたじゃねぇか。太守の為に戦うんじゃ無く、自分達の事を思って戦えってな。だったらさ、卯恩は俺の為に戦ってくれよ。」 卯恩は黙って紫黄の言葉を聞く。紫黄がこれほどマジメな事を言う事はめったにない。
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