* Prologue *

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ひらひら、ひらひら…… ヒラヒラ、ヒラヒラ…… 雪が降る。 まるで春に桜の花びらが舞うみたいに。 ひどく美しいけれど、何故かひどく哀しくて──切ない。 もうろうとする意識の中、目の前ではタバコ片手に笑う青年がいた。 まるで何かをごまかすような、平静を装って笑った顔は苦しみを耐えるように歪んでいる。 その青年の赤い服が雪の白に映えて…… あぁ、なんで。 なんで、俺こんなことになったんだっけ? .
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