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サドルに跨がりペダルを踏む。いつからかギアが壊れてしまったらしく、イマイチのスピードしかでない相棒のママチャリ。
スピードが出ない為、目の前に停留するバスの存在が異様に邪魔に感じた。
(……待ってらんねぇよ!!)
ここの信号が変わるまでの間はとても長いのだ。長時間かけて、バスが再び動き出すのを待つ余裕など今は無いに等しい。
数秒悩んだ末、普通よりは少し時間がかかるけど全力でぶっ飛ばせば間に合うだろう。
という考えが採択され、裏道を通ることとなった。
カーブミラーを見て安全確認を怠らない、とは一般常識であり、当然私も気をつけていることだ。
今日も急いではいたが、自分なりにしっかりと安全確認をして車道に出た。
気持ち良い朝の潮風を肌で感じ、自動車と平走しながらのんびりと駅を目指す。
筈だった。
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