伝想

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「は?」 「ほら~、航(わたる)といつも一緒にいる、さ、大橋くん!」 「恭平?」 「うん♪」 頬を赤く染めて、唇をすぼめる。 そんな顔。 心の矢印はオレに向いてはいない、そんな顔。 見たくねーし。 「あっそ」 苦渋の顔を見られたくなくて、冷たく言い放った。 「だからさっ?協力してよね!」 オレの冷たい言葉は、亜依の心に響かない。 「へいへい…」 「やったあ♪航だいすきっ」 抱きつかれて、頬に唇の感触。 確かに触れられているのに、亜依の温度なんか感じなかった。 心の矢印はオレに向いてはいない、そんな体温。
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