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早いもので今年も、あと一月でクリスマス
サンタさんを信じている訳でも、大切な人との約束がある訳でも、ましてや家族で食べるケーキが楽しみな訳ではさらさらないが、周りの雰囲気に影響されて
不思議と心が踊る。
「あーあっ! 今年の冬もひとりかよ」
こいつは、オレの親友の瞬也(しゅんや)。
学校一のハイテンションで“ある意味”有名だ。
オレと同じく今年の冬も
ひとりで過ごすみたいだ。
「まだあと一ヶ月あるんだし。まぁ、頑張れよ」
こいつもオレの親友で恵(けい)
瞬也とは対象的に落ち着いている。
「お前は彼女いるだろうが」
「そーだよ!しかも!遥香(はるか)ちゃんが」
遥香は、学校一可愛いと言われる生徒だ。
と言っても、瞬也がそう言うだけだが。
オレは幼馴染みというのもあって、とてもそうは思えないがな。
だが、瞬也の目にはうっすらと涙が浮かんでいるように、見える。
理由は明確だ。
「お前遥香狙ってたからな」
「そうなのか? それは、悪いな」
「ちくしょー!」
どうせ今年も
そう思ってた。
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