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何となくこの女の子が気になり、どんな面をしているのか見てやろうと近づいた瞬間
後ろに人の気配を感じたのか、その女の子はこっちを振り返った。
「あっ」
2人のリアクションは同時だった。
見たことのある顔に少しだけ不意をつかれた。
同じ学校に通う春香(ハルカ)だった。
「×××じゃん」
ハルカとは小学校から一緒で幼い頃はすごく仲がよかったが、思春期に彼女を意識し始めてからは自然と距離を取るようになっていた。
高校生になってからなんて、ほとんど話した記憶がない。
「何してんの?こんな所でツリーなんて見て」
嫌な沈黙のおかげで自然に言葉が出てきた。
「別に。何でもいいでしょ」
つれねー!なんてつれない奴なんだ!
きっとどうせ今日は彼氏と待ち合わせでもしてるんだろう。
「そうだよね。ごめん。じゃあ、まぁ良いお年を。」
彼氏とでもよろしくやってくれ。
口には出さない捨て台詞を吐いて
さっさとこの場を立ち去ろうとしたその時
「ねぇ、ちょっと」
何故かハルカに呼び止められた。
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