プロローグ

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何条もの光の筋が撃ち込まれ戦艦に吸い込まれていく。その直後戦艦は大きな光を放ちながら吹き飛んだ。 「アラバマ、撃沈」 「ダガー隊、一番機から四番機ロスト」 「前方1500の位置にモビルスーツ部隊を確認」 その真横に位置していたアガメムノン級戦艦『ハーバート』の艦橋内では引っ切り無しに報告が飛び交い、艦長と思しき中年の男が怒鳴るように指示を出していた。 「クッなんとしても此処を切り抜けろ、この艦を墜とされる訳にはいかんのだぞ、この艦に積んでいるアレは・・・」 「直上より敵機接近!!!数・・・三!!!」 突如現れた敵モビルスーツ、ジン三機に向け対空砲火を浴びせようとしたが、直上に位置しているため射線が取れない。直援機がすぐに止めようと間に入るが二機のジンに阻まれ一機を逃してしまった。 「対空砲火、敵を叩き墜とせ!!!」 何条ものビーム砲やミサイルが撃ち込まれるが、小回りの効かない戦艦の攻撃はことごとく回避され気付けばモビルスーツは艦橋のすぐ目の前に来ていた。 「ッ!!!」 艦長が最後に見た光景はジンから放たれた光と、その直後に吹き飛ばされ爆風に包まれた艦橋内部であった。そして艦橋を吹き飛ばしたジンもその直後、ストライクダガーの攻撃を受け爆散。艦橋を破壊されたハーバートはそのまま操舵不能になり宙域を離脱していったが、破壊された戦艦に注意を払う者は誰もおらず、ハーバートはゆっくりと現宙域から離れていった。周りではまだ何時果てるともない、戦闘が続いていた。
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