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大人の見方で俺を子供扱いする。
全ては大人だから…?
俺は年相応にしなきゃいけない…?
誰が為に…?
大人の為に…?
大人の理想の為に…?
「…くだらない…」
自分の考えにも、大人の中に窮屈に生きていく事に…、情けなくなってきて、自己嫌悪に陥ってしまった俺に、父さんは足を止めた。
「?…星音?何か言ったか?」
思わず口をついて出てしまい、それに反応した父さんに焦ったが、幸いなことに、父さんにはよく聞こえていなかったようだ。
小さく安堵し、俺は首を横に振った。
「…別に…。それよりも、着いたよ?」
これ以上追求されたくなくて、話を反らした。
父さんは俺の素っ気無い態度にも気にならないらしく、「あぁ」とだけ返してきた。きっと、今のあいつに逢うのが怖いんだ。
あいつの顔を見たら今まで必死に耐えてきたものが全て崩れてしまうから…かな…?
「………」
そう思うと、俺自身も正直な所、自信がない…。 『泣く』とまではいかないけど、もしかしたら…抱き締めてしまうかも知れない。それに、夜音にいつものような態度がとれるか保証は出来ない…。
そう考えると、少なからず父さん達の事を心配してもいられない。自分の事で手一杯な状態だ…。
何時までも開けるのを躊躇ってる父さんに一言声をかけた。
「開けるから」
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