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「…ムカつく。」
「――え‥?」
俺が、吐き捨てるかのように言うと、夜音は瞳を揺らし‥、聞き返す。
だから‥、俺は夜音の瞳を睨み付け、もう一度、言ってやろうと口を開きかけた。
「――そこまでだ。」
この一言で開きかけた口を閉じた。
「星音、夜音。こんな時にくだらない喧嘩はよしなさい。」
今までことのなり行きを傍観していた父さんは、制止に入った。父さんの言葉は厳しくもなく、かといって優しくもなく。
そんな口調で制止が入った――。
「‥‥ぉと‥、さん…」
「……」
引っ込みも、自ら夜音を傷付けるのを止められなくなっていた俺を止めてくれたのには感謝した。でも、父さんの言った一言が感に触った。
「……くだらなくなんかないッ…。」
俺は、父さんを睨み付け、反抗した。
そんな俺を、夜音は不安そうに見つめていた。
「‥あんたに‥、何が判るわけ?“くだらない”なんて簡単に言って欲しくないねッ!」
更に怒り増幅させ、今度は父さんにぶつけてしまい、俺は我を見失いかけた――。
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