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「やっべ…ケータイ…教室だ」
その日の部活が終わった時刻は夜8時を回っていた。サッカー部次期部長の海原凌は、焦った。さすがに、夜の校舎内は怖い。最近、学校の怪談がちょっとしたブームでよくその手の話を耳にするので恐怖は倍増だ。
「おい、ケータイ忘れたから教室取り入ってくるから待ってて」
「わかった。幽霊が出るかもな♪」
「美人幽霊なら嬉しいのにな…」
からかう友達を待たせてダッシュでいく。
あぁ~まぢ怖ぇ!
花子さんが出ると有名な2階女子トイレを過ぎてからはちょっとは落ち着いたがまだ予断は赦せない感じがした。
教室へ行くと暗い中なんと女子生徒がグラウンドをながめている!!
心臓が跳ね上がったが、一息ついてすぐに彼女もきっと忘れ物をしたんだと解釈した。
よかったぁ~俺だけじゃねぇじゃん♪帰りは一緒に帰れば怖くねぇし…
なんて、打算していた。思い切って声をかくてみる。
「ねぇ!忘れもの?こんな暗くちゃわかんなくね?」
と言ってみる。女子生徒は、ビクッと肩がはねた。
そりゃ驚くわな。
と思いつつ電気をつけた。彼女の方を向くともういなかった。
あれぇ?俺が脅かしたから出てったのかな?足音しなかったけど…
あ~ぁこれじゃ、帰りも一人だぜ…
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