足元には注意しよう

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12月の下旬。 暮れも押し迫り、忙しさの前の一時の休息。 お正月の次か、あるいはそれ以上に盛り上がる夜。 12月25日。 いわゆるクリスマスと呼ばれる日だ。 もともとは宗教的な意味合いが強い神秘的な日であるが、宗教にある意味寛大な日本では一年に一度の一大イベントというイメージが強い。 ある者は家族と暖かな夜を、またある者は恋人と甘く熱い夜を過ごす。 人によって様々だが、みんな等しく楽しんでいる。 ……はずなのだが。 「はぁ~……」 暗く重いため息を一つ。 勅使河原祐樹(てしがわら ゆうき)は寒空の下を一人寂しく歩いていた。
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