サンタさんへの手紙

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長い前置きでごめんなさい。   そろそろ本題に入りますね。   私は、どうしても貴方に来て頂きたくて、その為にこの一年を頑張ってきました。   ですが、私は今、特に欲しい物はありません。   何があったところで、何を持っていたところで、それを楽しむ時間は、私にはないのですから。   仮に生命を物と表現して差し支えないものだとして、それでも、私に欲する物が無い事は変わりません。   私の望みは、一つなのです。   サンタさん。サンタクロースさん。   私は、貴方が欲しいのです。   白いおひげを立派に蓄えて、紅白の衣装に身を包んで、トナカイの引くソリに乗った、本物の貴方にお会いしたいのです。   母様は、サンタさんは、信じていれば、きっと願いを叶えて下さると仰っていました。   私は、きっと信じます。   貴方はきっと、この真っ白な世界のどこかにいて、魔法のような不思議な力で、私たちの毎日を見守ってくれていて……その事実を、私はずっと信じています。   だから、どうかサンタさん。   私の元へ、どうか私に会いに来て下さい。   本当の、本物の、本然のサンタさん。   私は貴方にお会いしたいのです。
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