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悩むのは自分に自信がある人のすることだ。晴れることのない空を見上げながら、翔は膝を抱えていた。 あと一週間もすればクリスマスだが、今年もひとりきりで過ごすことになるだろう。 湿ったため息をつき、手なぐさみに自らの下半身をまさぐる。 他にすることもなく、無意味にその行為に没頭し自らを汚す。 そろそろと起き出して、机の引き出しの奥にしまい込んだ雑誌を取り出してはゆっくりとめくる。 翔は深く息を吸う。カーテンを閉めに行こうと立ち上がったその瞬間、隣のアパートの部屋に明かりがついた。
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