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精悍な顔つきに人なつっこい笑顔。月並みな言い方をすれば一目惚れをした。 彼が隣のアパート、しかも翔の部屋の真向かいの部屋の住人だと、近いうちに知ることになる。 それからは挨拶程度はするようになったが、話しかけることもできず、ひそかに憧れ続ける日々を過ごしていた。 彼の部屋に明かりが着く度にドキドキし、彼の部屋の明かりが消える度に、聞こえるはずのないおやすみの挨拶をする。 微かに聞こえてくる音楽を聞いては、次の日には同じCDを買ったり、買い物に行くと彼に似合いそうな服ばかり見たりしてしまう。
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