想い

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「………何でもないわよ………救急箱探してただけ………」 「ここにあるだろ…………」 ……救急箱は私の足元にあった……… 「……気付かなかった…………」 洋輔は私の顔を不思議そうに眺めていた。 「……おぃ美香……………それ中身見てないよな………」 いつも優しい眼をした洋輔が突然変わった。 私は暫く言葉を発することができなかった…… 怖い……………と思うだけだった……… 「見たのか…………」 私は精一杯首を横に振った。 洋輔は私のことをじっと睨んでいたが、すぐにいつもの顔に戻った。 「………ならいいんだ、ここは俺が片付けるから料理でもつくってくれ……」 …………はぁ……何か疲れた……… ………洋輔にあんな顔があったなんて……… まだまだ私の知らない洋輔がいるのだとしった…… けど………あそこまで隠そうとする洋輔の手帳って一体……… 見とけばよかった………………あ~、後悔した…… 私はブツブツ言いながらキッチンに行って料理をつくり始めた。 …………見られてないよな………… まぁ美香の言うことを信じるか……… 仕事の内容が書いてあるだけだが………… 黒の手帳の中身を見られてなくてよかった……… 黒の手帳の中身は絶対に美香には見せられない…………… 見られたら俺らの関係は終わりになるだろう…… ……………………やっと片付けが終わったぜ……… 美香も料理をつくり終わったかな…………戻るか……… カチャ……ギィー……… ……………美香!! 美香が倒れている……… 何が起きたのか俺はわからず、倒れている美香をただ眺めていた………… ……………ってこんなことしている場合ではない。 病院だ…………… 病院に行かなくては! 俺は美香を腕に抱えて自家用車に乗り込んだ。  
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