想い

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「……ただの過労ですね………」 「…………はぁ………そうですか………」 過労かよ…………驚かせやがって……… けど…………よかった…… 眠っている美香を俺はお姫様だっこをして俺の車に乗せた。 周りが少しこちらを眺めているが俺には気にならなかった。 ……たぶん、美香が起きていたら嫌がっただろうけど……… 車を走らせて数分後……… 「………あれ………私は…………って洋輔!!何でここにいるの?」 俺はおどけた美香を見て、クスッと笑うと 「……たまにはドライブもいいかな、と思ってな………、嫌だった?」 「嫌じゃないけど………、いつもいきなりだよね洋輔は……」 「いいじゃんか………これが俺なんだからさ。」 …………にしても診察中も美香は寝てたな……… 普通起きるだろ……………仕事かなり頑張ってたからしょうがないか………休ませてやるか………… 「もう帰ろうぜ、美香。」 「っえ…………もう?私まだ起きたばっかなのに……」 「お前の寝顔を拝めたからいいんだよ。」 「…………!!」 「可愛いかったなぁ、美香の「それ以上言わないで!」 ……美香の顔が茹で蛸みたいになってる………本当に可愛いよな………… 「そんなこと言うなら……もう洋輔とは一言も話さないから!!」 って言ってもすぐ話しかけてくるんだよなぁ……… まぁ、今日のところは謝っとくか………… 「悪かったよ、美香許して、ね?」 ……………………。 「だってお前が悪いんだぜ、そんな可愛い顔を俺に晒すんだからな。」 「私も…………」 「……………何?」 「私も洋輔の寝顔見たもんね!涎垂らして本当にうるさい鼾かいてたんだから!!」 …………何だ、そんなことか……… 「だったらお互い様だな、美香も俺の寝顔見たんだろ?文句言うなよ。」 「私の寝顔は見ちゃ駄目なの………洋輔の馬鹿!!」 美香は窓から外の風景を眺めていた……… 月明かりに照らされる美香は、輝く光のようだった。  
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