壮大なお伽噺

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『鬼が食した毒林檎』 著:くまちょ ホラー・オカルト/全25頁 参りました、という感じです。こうも見事に、違和感なく話をつなげられるものか、思い付くものだな、と感心せざるを得ません。 そもそも、毒林檎が鬼の手に渡る、という時点で、既に、この不可思議ワールドに足を一歩踏み入れさせられています。 つまり、読み始めた時から、というわけです。 おにぎりが坂を転げ落ちてゆくように、あとはトントン拍子に物語の波に素直に乗るだけです。いいえ、拒んでも流されてしまいます。 物足りなさはあります。物語の構成が良いだけに、辻褄や人物設定はもう少し、練り込みがあると良かった、とは感じます。 お伽噺というのは、娯楽的な表現で書かれてあるけれど、実は、その時代時代の背景を隠しています。高田崇史氏の著作である、QEDシリーズを読んでから、そんな角度からも思うようになりました。
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