愛しの王子様

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「―…つみ、夏美!」 「え?」 「え?じゃないでしょうが!」 「ごめん、愛ちゃん」 夏美は、苦笑いをした。 原愛(ハラアイ) 私の自慢の親友。 「たくっ、いい加減『孝橋侑』の事見つめるの止めてよね」 「―…だって…気になるんだもん」 「だから…あんたみたいな天然ちゃんは、騙されるのがオチなの!いい?あいつはね…」 ガラッ ドアが開く音と同時に、沢山の女の子が押し寄せて来た。 「侑君!クリスマスの日空いてる?」 「はぁ?私が先なんだから!」 沢山の女の子と煩い程の黄色い声の中。 ゆっくり顔を上げ、侑は面倒臭そうに女の子達を見渡した。 「―…うざいんだけど。俺の周りでしゃべんな」 侑の一言によって凍り付いた教室。 女の子達の中には、泣き出しそうな子さえ居た。
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