愛しの王子様

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放課後の教室。 それは、あまりにも突然で。 「おい、金橋夏美…」 目の前には、「氷の王子様」。 「は、はい」 「―…俺と付き合え」 有り得ない展開だった。 「……」 「返事は?」 侑は、夏美をギロリと睨んだ。 「は、はい!え―と…」 「今の『はい』は、OKって事か?」 「ちょ、ちょっと待って…」 気がつくと、私の唇は侑君の唇と重なっていた。 「氷の王子様」のキスは、チョコレートのように甘いキスだった。 「―…お前は、これから俺の彼女だ」 「は…い」 夏美は、ズルリと床に座り込んだ。 もうすぐクリスマス。 私の興味のある人。 孝橋侑君…もとい「氷の王子様」 たった今から、私の王子様になってしまった。
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