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次の日、
誠司はいつもどうり大学へ行き、
いつもどうりバイトをしていた。
…が、
「誠ちゃん、顔暗い。」
「はぃ?」
誠司は、本棚のホコリをパタパタとはたいていた。
「そんな顔してはたくなよぉ~。本が可哀相。」
「本かよ;」
「売り物は大事にしなきゃ☆」
「…京ちゃん」
誠司はションボリとした声で京一を呼んだ。
「マジどうしたの誠ちゃん?」
この声にはさすがに心配し始めた京一。
「親が、離婚すんだよ。」
「え…」
「俺は一人暮らしするからいいけど、由はどっちかが引き取らなきゃいけないじゃん」
「そだね。」
「でも、俺由と離れたくないから由に『一緒に暮らさないか?』って聞いたんだよ。」
「___で?弟くんの返事は?」
「…聞く前に俺が出ていった。」
「おぉい!!!;」
「だって~嫌だって言われるとショックじゃん!!(泣)」
「このヘタレ!!!」
「聞いただけでもすごいことだろ(泣)」
「んなこと知るかぁ!」
ギャアギャアと言い争ってると…
「…あ、あの~…」
「「はい」」
「これください;」
「「…お買い上げありがとうございま~す;」」
客は引きながらも本を差し出した。
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