“可愛いよ、お前は”

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由が居なくなってまた寂しくなってしまった…… 「…いいもん…由の部屋漁っとくもん。」 とボソっと言いながら誠司は部屋を漁りだした。  「あ!!由の日記発見!!こんなところに隠してたのかぁ~。」 ウキウキしながら中を読んだ。 ペラリ… 「“11月13日今日この間やったテストが帰って来た。結果は最悪。”…とか書きながら全部80点だいだったじゃねーか…」 パラリ… 「“11月16日今日も兄ちゃんはウザかった”ひでぇ!!!書くなよそんなこと!!」 パラパラ……… 「半分ぐらい俺への文句だった…悲しい…」 また、部屋を漁りながら泣いていると、 「ん?」 誠司は何かを見つけた。 「これって…」 見つけた物は昔、誠司が由城の誕生日にあげたウサギの人形。 「懐かしいーあいつまだこんなの持ってたんだー」 誠司はその人形に軽くキスをした。 ___チュ… 「これからも、お前が由に大切にしてもらうように…」 この人形、あげた当時は 「そんな女の子っぽいのは嫌い」 と言われていたのだが、 あいつはこの歳になるまで未だずっと持っている。 ____可愛いヤツだ。 クスと笑いながら、人形をもとの場所へ返した。
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