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それは、ある休日のことだった。
「お母さーーーん!!!ちょっと駅まで送ってくれない??」
バタバタしながら由城は母に頼んだ。
「急に言われても無理よ。お母さん、忙しいから」
「えぇーーーー!!!お父さんは???」
「知らん。自転車で行け。」
「ヒデェ!!!」
萩沼家は家から駅はかなり遠い。
だから由城もすぐそばにある高校を選んだ。
「…自転車で行くか…」
しかし、今日はとくに寒い日。由城はそれを思うだけでゾッとした…
「ゆ~~い♪」
__ガバァ!!!
高らかな声で後ろから抱きついてきた男。
由城の兄、誠司だった。
「兄ちゃん…離れて」
少し怒り気味に言っても誠司は離そうとしなかった。
「由、兄ちゃんが駅まで送ってやるよ!!!」
誠司は車の免許を持っていた。
「俺もバイトいくしな♪」
「そうしなさい。」
____えー;ちょ…お父さん。
兄ちゃんと二人で!?
何されるか分かんねーよ;
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