粉雪

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鳴らない携帯電話は ただの金属の塊にしか過ぎなかった。 真人へと繋がる11桁の数字は 指が勝手に覚えていて 何度も 何度も 押しては消してを繰り返した 待ち受けで笑う二人の写真は とても綺麗な画質なのに なぜか味気無く 色褪せて見えた 寒さに震える手を伸ばすと いつかに二人でベンチにかいた 『ずっと一緒』 という文字に触れた 幸せ この単語が1番似合っていたのかもしれない。 あゆの目からは ボロボロと 涙が零れ落ちていた
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