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8月1日(金)【奈緒】
雅樹
「ぁ゛ああぁ~…。
もうむりだぁあ~…」
豪快に尻をつく。
あのあと海に入った俺は、鈴音に水をかけられ、弥生に抱きつかれ、紗耶にはビーチボールをあてられ…そして溺れそうになっている琴音を助け………。
もーう、ダメだ。
腕も足も体全体がパンパンだ。
半日でこんな状態の俺は、あとの2日間がとてつもなく不安です。
紗耶
「いくよ琴音」
琴音
「え、え!?
なんでわたしなの~」
紗耶
「ん」
琴音
「ぶわぁふっ!?」
弥生
「あぁあん!!」
鈴音
「いぇい! さすが紗耶。
ナイスサーブ!!」
弥生
「ちょっとちょっとぉ!
待ってくださいよぅ!
琴音先輩と同じチームで勝てるわけがないじゃないですかぁ」
琴音
「はうぅ!?」
鈴音
「だってジャンケンで決まったことじゃーん」
弥生
「普通なら“双子チーム”VS“親友チーム”じゃありません?」
紗耶
「親友じゃない」
弥生
「あぁああん!!?」
紗耶
「んっ!」
弥生
「たあ! 不意打ちなんてこの弥生には無意味ですぅ!」
琴音
「きゃああ!?」
弥生
「せめてコート内に返してくださいぃ!
く、くじけませんー! たああっ!」
鈴音
「なにぃ!? 返しただとお!?」
今度は、チームを組んでビーチバレーボール対決ですか。
よくもまぁ…遊ぶ体力は無限大なんだな。
すげーよ…。
でも、本当にすごいのはきたボールをすべて顔面で弾き返す琴音なのかもしれない。
奈緒
「お疲れ様」
雅樹
「おお…」
コップに麦茶をそそぎ、俺に渡してくれる。
奈緒
「だらしがないなぁ…男の子でしょ?」
クスッと笑いながら、俺の隣に腰をおろす。
雅樹
「バカいうなよ。
あいつらについていけるのは、
かなりの超人だ」
部活もバイトもやっていない俺は、体を動かす機会なんか体育の授業の時しかないからな…。
そこらへんで、差がついてしまったのかもしれない。
雅樹
「奈緒は?」
奈緒
「ん?」
雅樹
「遊び疲れたか?」
奈緒
「あはは。やだなぁ。
私ってそんなに軟弱に見える?」
雅樹
「うむぅ…」
奈緒
「これでも、
体力は雅樹より絶対あると思う」
雅樹
「……わからねぇぞ?」
奈緒
「どーだか。
……でも、雅樹はやるときはやる男の子でしょ?」
雅樹
「お…おう」
奈緒って、意外とSっ気があるんだよな。
むかしから、人をみょーにドキドキさせやがる。
雅樹
「……ところで、翠たちは?」
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