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あみ
「あ、あのね、あみね、やよいお姉ちゃんのこと、どこかで見たことある…かも…」
弥生
「えっ?」
雅樹
「なんだ知り合いか?」
弥生
「い、いえ…弥生には心当たりがありません…話したことがあれば覚えてるはずなんですけど…」
雅樹
「なんだそりゃ。どういうことだよ」
弥生
「はっ…もしかして…弥生と雅樹先輩の…?」
雅樹
「…その考えは予想外だ」
弥生
「えっと、あみ…ちゃん?
弥生のことどこで見かけたんですか?」
あみ
「んーとね…んーと…どこだったかなぁ…」
どうやらあみのほうもあまり印象にないらしい。
雅樹
「似たようなやつがいたのかもなぁ」
二人とも直接的な面識はないみたいだし…。
弥生
「ん~…もしかしたら、施設の遠足の時とかにあっていたかもしれませんね」
あみ
「う~ん…」
弥生
「そんな悩むほどのことじゃありませんよ!
もし、あみちゃんと弥生が、前に一度すれ違っていたとして、こうやって再開できたのはとても素晴らしいことじゃないですか!」
あみ
「うん?」
弥生
「なんでしょう。あみちゃんとは、またどこかで会えるような気がします。
だから、今のうちに友達になっておきましょうか」
あみ「………うんっ!」
弥生
「はい。握手ですぅ」
あみ
「おともだち~」
雅樹
「………いいな、それ」
弥生
「なにがですか?」
雅樹
「いや、今度ナンパしたときにそれを使ってみようと思う」
弥生
「あ、じゃあまず弥生で試してみてください」
雅樹
「うむ…なぜだろう…。
俺は君をどこかで見かけたことがある…かもしれない」
弥生
「えっ…で、でも私にはそのような記憶ありません」
雅樹
「いや、いいんだ。
たぶんきっと、無意識に君の姿を頭に焼き付けてしまっていたのかもしれない」
弥生
「どきっ…」
雅樹
「うん。君とはきっと、またどこかで会えるような気がする。だから、その日、笑って『久しぶりだね』てお互いに言えるように、友達に…なっておかないか?」
弥生
「………好き…」
雅樹
「おう……俺もぎぶぁ!?」
突然、俺の頭に振り下りるなにか。
奈緒
「………」
後ろを振り返れば、頬をふくらました可愛らしい女の子の姿。
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