406人が本棚に入れています
本棚に追加
雅樹
「なぜだろう…俺は君をどこかで見」
奈緒
「そういうくだらないことしてる暇があるなら、あのお兄さんを見習ってバイトとかしてください」
雅樹
「はい…」
次にもし、その“なにか”が振り下りるとしたら、それは間違いなく俺の頬だ。
雅樹
「ごめんなさい」
だからここは素直に謝っておこう。
弥生
「くだらなくなんかないですぅ!!」
奈緒
「わっ、びっくりした…」
弥生
「あとすこしで…もうちょっとで雅樹先輩とキスできたのにぃ!」
雅樹
「しないよ」
奈緒
「………」
雅樹
「しないよ!!?」
さすがの俺でも、限度くらいわきまえてるぞ!?
奈緒
「あのね弥生ちゃん。
何回も言うようだけど、雅樹はすぐに調子に乗るから、そういうことしちゃだめなの!」
雅樹
「酷い…」
奈緒
「本当のことでしょ!」
雅樹
「さらに酷い…」
弥生
「弥生はそんな雅樹先輩を好きになったんですぅ!」
奈緒
「なっ…」
雅樹
「弥生…」
おまえってやつぁ…。
奈緒
「わ、私だって…」
雅樹
「ん? なんだ?」
奈緒
「なんでもない!」
雅樹
「な、なに怒ってんだよ」
奈緒
「怒るよ。怒るに決まってるでしょ!
私なんかいなかったみたいにさ、弥生ちゃんと楽しそうに話してれば…そりゃあ怒るよ」
雅樹
「ちょ、ちょっと待てよ。
最初にあの男と楽しそうに話し始めたのは奈緒のほうだろ…」
奈緒
「なっ……た、楽しそうになんて話してないよ!」
雅樹
「話してた! 俺と話してる時なんかより、ずっとずっといい顔してたね」
奈緒
「そ、それは仕方ないでしょ!
雅樹が話したんじゃ、絶対に話終わんないもん」
雅樹
「そんなことやってみなくちゃわかんないだろ」
奈緒
「わかるよ。
雅樹はすぐ、彼女とか妹とかすぐばれる方法しかできないもん」
雅樹
「そ…それは……その…そのほうが都合がいいだろ、いろいろと」
奈緒
「わざわざ妹にする必要なんてどこにもないでしょ! ともだ…ただの後輩でいいじゃん!」
弥生
「さりげなくランクを落とされましたぁ!?」
最初のコメントを投稿しよう!