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奈緒
「そのことについては、
あとで私から紺に叱っておくね」
弥生
「姉の言うことを素直に聞く妹なら、あんなふうに育ってないと思いますけどね」
奈緒
「う……ごめんなさい…。
もっとしっかりします…」
あーあー…奈緒さん謝っちゃったよ…。
雅樹
「よし…俺に任せとけ」
奈緒の肩に手をポンと置き、親指を立ててみせる。
奈緒
「雅樹…」
弥生と話すと、必ず本当に話したいことから、どんどんどんどん離れていくんだよな。
よくわかるぞ、うん。
雅樹
「弥生よく聞け!
俺はおまえに聞きたいことがある!」
もうこうなれば強行突破しかない。
目には目を、歯には歯を、マシンガントークにはマシンガントークを。
弥生
「はい、なんでしょう!」
雅樹
「弥生は、紺に頼まれてジュースを買いに来たんだよな!?」
弥生
「はい。
まったく酷いですよね!
『私は紗耶とラブラブしたいからぁ』とかなんとか言っちゃって、めんどくさいことを全部人に」
雅樹
「続けるぞ!?」
弥生
「は、はい!」
会話の方向性を変えるわけにはいかないんだ。
雅樹
「ここは迷子センターだ。
わざわざ迷子センターにジュースを買いに来たのか?
海の家に行くのが普通だろ」
そもそも迷子センターにジュースは売っているものなのか?
弥生
「……よくぞ…」
雅樹
「ん?」
弥生
「よくぞ聞いてくれました!
これには深い深いわけがありましてですね」
雅樹
「おお…」
ようやく…ようやく話が進んだよ。
弥生
「弥生は迷子じゃないですぅ!!」
雅樹
「な、なんだどうした!?」
弥生
「弥生は…弥生は迷子じゃないですぅ~……」
雅樹
「ど、どうした弥生」
叫んだり泣いたり、忙しいやつだなぁこいつ。
奈緒
「弥生ちゃん落ち着いて!」
あみ
「………」
弥生
「弥生は…弥生はぁ……」
雅樹
「お、おう。大丈夫だ。
俺はちゃんとわかってるぞ。
女の子は、精神的に不安定になるときがあるらしい。その時期のほとんどがアノ日…」
奈緒
「っ!」
雅樹
「ほごぅっ!!」
あみ
「あのひ?」
奈緒
「あ、え、その…ほら!
あの…ひっ、ひ~?……あの…ひ…どの日…?…その日……そんな1日…」
あみ
「………」
な…奈緒がうろたえている…。
か…可愛いな。
雅樹
「あみにもいつか来」
奈緒
「っ! っ! っ!」
雅樹
「ぎゃ、うげ、ぼぅがっ」
あみ
「おおお~…」
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