8月1日(金)【奈緒】

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    奈緒 「そのことについては、 あとで私から紺に叱っておくね」 弥生 「姉の言うことを素直に聞く妹なら、あんなふうに育ってないと思いますけどね」 奈緒 「う……ごめんなさい…。 もっとしっかりします…」 あーあー…奈緒さん謝っちゃったよ…。 雅樹 「よし…俺に任せとけ」 奈緒の肩に手をポンと置き、親指を立ててみせる。 奈緒 「雅樹…」 弥生と話すと、必ず本当に話したいことから、どんどんどんどん離れていくんだよな。 よくわかるぞ、うん。 雅樹 「弥生よく聞け! 俺はおまえに聞きたいことがある!」 もうこうなれば強行突破しかない。 目には目を、歯には歯を、マシンガントークにはマシンガントークを。 弥生 「はい、なんでしょう!」 雅樹 「弥生は、紺に頼まれてジュースを買いに来たんだよな!?」 弥生 「はい。 まったく酷いですよね! 『私は紗耶とラブラブしたいからぁ』とかなんとか言っちゃって、めんどくさいことを全部人に」 雅樹 「続けるぞ!?」 弥生 「は、はい!」 会話の方向性を変えるわけにはいかないんだ。 雅樹 「ここは迷子センターだ。 わざわざ迷子センターにジュースを買いに来たのか? 海の家に行くのが普通だろ」 そもそも迷子センターにジュースは売っているものなのか? 弥生 「……よくぞ…」 雅樹 「ん?」 弥生 「よくぞ聞いてくれました! これには深い深いわけがありましてですね」 雅樹 「おお…」 ようやく…ようやく話が進んだよ。 弥生 「弥生は迷子じゃないですぅ!!」 雅樹 「な、なんだどうした!?」 弥生 「弥生は…弥生は迷子じゃないですぅ~……」 雅樹 「ど、どうした弥生」 叫んだり泣いたり、忙しいやつだなぁこいつ。 奈緒 「弥生ちゃん落ち着いて!」 あみ 「………」 弥生 「弥生は…弥生はぁ……」 雅樹 「お、おう。大丈夫だ。 俺はちゃんとわかってるぞ。 女の子は、精神的に不安定になるときがあるらしい。その時期のほとんどがアノ日…」 奈緒 「っ!」 雅樹 「ほごぅっ!!」 あみ 「あのひ?」 奈緒 「あ、え、その…ほら! あの…ひっ、ひ~?……あの…ひ…どの日…?…その日……そんな1日…」 あみ 「………」 な…奈緒がうろたえている…。 か…可愛いな。 雅樹 「あみにもいつか来」 奈緒 「っ! っ! っ!」 雅樹 「ぎゃ、うげ、ぼぅがっ」 あみ 「おおお~…」  
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