第四章

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「お待たせしました………」 老人が奥から出てくると少し小さなアタッシュケースを五つほど持っていた。 そして、斎藤の前に置いた。 「これは?」 「中には200万円ほど入っています……」 「「200万」」 安藤と廣田が声を揃えた。 「それで?」 「コレでよろしいかと………」 「あれが一体何なのかは教えていただけませんか?」 「私には分かりかねません……… しかし、この程度の価値はあるかと………」 「分かりました、ありがとうございます」 斎藤は振り向き、後ろで騒いでいる二人と共に骨董屋から出ていった。 「先生、1000万ですよ!」 「斎藤さん、200万が五つですよ!」 「ああ、これで帰ることができるな………」 (あの老人、嘘をついていたかもな…) 三人はキャンプに戻り、帰り支度を始めた 「よし、帰るかな」 斎藤はそう言うと大破した荻原の車のエンブレムだけを持ち、再び街に行った。
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