第四章

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二人は事務所に戻り斎藤の帰りを待っていた。 「遅いですね…」 「荻原にどやされてるかな?」 廣田がソファーに座り伸びをしていると、金欠対策ボックスが目に止まった。 (今回に事してもそうだけど、中は他にどんな内容が入っているんだろう?) 廣田はフラフラっと立ち上がり、箱に手をかけ蓋を上に持ち上げた。 (1、2、3、4……………12個か) 箱の中は折りたたんである番号の書いてある小さな紙が12個あった。 (開けちゃえ) 廣田はその内の一つを取り出して広げた。 (………………………) 中身を確認すると無言で紙を元に戻し、蓋を閉めて、箱を元の場所に戻した。 (…………もう絶対、金欠にはさせない!) 廣田が何を見たのかは分からないが、この瞬間とても強い信念を心に抱いたのは見て分かった。
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