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「でもいきなりそんな事聞くなんて
どうしましたか?」
「なんでもないよ、気にしないでくれ。」
「はぁ………」
男性はデスクから取り出した分厚い小説を椅子に座りながら読み、安藤はスポーツバックから取り出した漫画をソファーに寝そべりながら読み始めた。
幾分が時間が流れると、安藤は、パラパラと読み終えた漫画をバックにしまい、変わりに少し大きめの真っ白な箱を取り出した。
そんな中、男性は姿勢を1㎜も動かさずに黙々と小説を読み続けている。
「………安藤クン、ジグソーパズルかい?」
男性が小説に目を向けたまま安藤に訪ねた。
すると、箱の蓋に手をかけたままの安藤が驚いたように男性へ顔を向けた。
「よく分かりましたね」
「………音がね、したから、沢山」
男性は小説に集中しているようで、途切れ途切れの言葉をゆっくり述べた。
「流石ッスよ、大正解です」
「………1000かな?」
また男性は一言話した。
「何がッスか?」
「………多分、1000ピース位だと」
「残念です、1111ピースなんすよ」
安藤が残念そうに言っていたが、男性は気にも止めずに一言。
「………そうか」
そのまま、何もない優雅な時間を過ごしていると時刻は昼頃になった。すると――
「先生、お昼です!」
安藤がいきいきとしながらソファーから立ち上がり男性によびかけた。
「そうだな………じゃあ始めようか」
男性も小説にしおりを挟み、机に置くと立ち上がった。
二人は、首をならしたり、手をふったり、指を慣らたりしている。
端から見ると、これからマラソンでもするんじゃないかと思うくらい体を慣らしていた。
「じゃあ、いきますよ」
「ああ」
二人は一斉に息を吐いた。
そして、二人は息を吐き終え一呼吸終えると一斉に声を上げた。
「最初はグー、ジャンケンーー
ポン!」
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