第一章

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「やあ、こんにちは。 また合ったね。」 「え! あのその……、 此処って、斎藤探偵事務所ですよね。」 女子高生が驚きつつも場所を確認しようと質問すると、 「ようこそ、斎藤探偵事務所へ。 私はこの事務所で探偵をやっています…   『斎藤 宏樹』 と申します」 「助手の  『安藤 陽平』です。」 安藤と斎藤は女子高生に丁寧に自己紹介をした。 「じゃあ……超天才な探偵って…………安藤さんだったんですか!?」 女子高生は安藤に向かって問いかけた。 「………うん、まあ、いろんな意味で安藤は天才だよ」 斎藤は苦笑いをしながらも、少しプライドが傷つけられた気分だった。 明らかに話の内容からすれば斎藤の方が優れているはずだ。 「違う、違う、超天才はあっち、斎藤先生だよ」 「え! すすすすいません」 「いやいや、気にしてないよ。」 斎藤は言ったものの悲しみが顔に出ている 「警察署にいた『民事第二課』の署長さんが…… 『いいかい、斎藤探偵事務所についたら、ジャージ姿の人に話をするんだよ…』って」 斎藤は額をピクッと動かして、 「あのオヤジは、でたらめな事を……」 「オレがジャージって何で分かったんだ?」 「キミはいつもジャージだろ?」 「あ、そうでした」 「それで、依頼なんですけど…」
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