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ふと、壁に飾ってあるカレンダーに視線を移す――クリスマスまで、あと5日。
(もうクリスマスなんて来なければいい…)
魅沙はそう思いながら、眠りについた―――。
――12月20日。
朝……
魅沙のベッドのすぐ脇に、捨てたはずの赤い封筒と全く同じものが置いてあった。
「―――!」
目を覚まして早々、嫌なものを見てしまった。
飛び起きて、昨日捨てた場所にも同じ封筒があるかどうか確認してみる……
「……ある…、どうして……?
気持ち悪い――」
2通の赤い封筒には、差出人の情報は一切明示されていなかった。
事務的なパソコン文字で住所と宛名が印字されたシールが貼られているだけだった。
(気味が悪いわ…)
こんなタチの悪い悪戯をされることに魅沙はたまらなく嫌悪した。
2通の赤い封筒が、魅沙の人生をガラリと変えてしまうことを今の魅沙は知る由もなかった―――。
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