【トナカイ召喚】

2/2
前へ
/43ページ
次へ
―――パン♪ 『日課』の賛美歌を弾き終えたその時――…… ふわぁ… 魅沙の手の平に何か、白くてふわふわした物が降ってきた。 「――――!?」 その白いものが『羽根』だと気付いた時には、 天から舞い降りた『何か』が魅沙の目の前まで落ちてきていた。 十字架から、発せられたスポットライトのような光が、『その人』の姿を浮かび上がらせ――… 白い、白い純白の羽を持ったその『人』は――…… ――――ガタン 魅沙は演奏用の椅子から立ち上がった! 十字架の発する光から ゆっくりと ゆっくりと 落ちてくる、その人は―――… 「………讚汰!」 ゆっくりと ゆっくりと 地面に落ちてきた『天使様』は――… ――タンッ 軽快に着地した。 その姿形は、魅沙の双子の片割れ・讚汰にうり二つだった。 (……う、そ…これは夢に違いない……でも) 目の前にいる『彼』は魅沙の方へと近づいてくる。 そして、魅沙の目の前までたどり着いた時…… 彼は魅沙にひざまづき、片手を取り……そっとキスを落とした。 「逢いたかったです――僕の姫」 「―――!!」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加