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―――パン♪
『日課』の賛美歌を弾き終えたその時――……
ふわぁ…
魅沙の手の平に何か、白くてふわふわした物が降ってきた。
「――――!?」
その白いものが『羽根』だと気付いた時には、
天から舞い降りた『何か』が魅沙の目の前まで落ちてきていた。
十字架から、発せられたスポットライトのような光が、『その人』の姿を浮かび上がらせ――…
白い、白い純白の羽を持ったその『人』は――……
――――ガタン
魅沙は演奏用の椅子から立ち上がった!
十字架の発する光から
ゆっくりと
ゆっくりと
落ちてくる、その人は―――…
「………讚汰!」
ゆっくりと
ゆっくりと
地面に落ちてきた『天使様』は――…
――タンッ
軽快に着地した。
その姿形は、魅沙の双子の片割れ・讚汰にうり二つだった。
(……う、そ…これは夢に違いない……でも)
目の前にいる『彼』は魅沙の方へと近づいてくる。
そして、魅沙の目の前までたどり着いた時……
彼は魅沙にひざまづき、片手を取り……そっとキスを落とした。
「逢いたかったです――僕の姫」
「―――!!」
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