第2章 -親友-

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「…出た出た。バカップルはめでたいねぇ」 いつもなら嬉しそうに自慢を続ける陸だが、何故か表情は暗くなっている。 「そうじゃなくて…。裕也、真面目に聞いてくれないか…?」 高校で出会い、3年の月日を過ごしてきた。 …が、こんな暗い陸を見るのは初めてだった。 その言葉にただならぬ雰囲気を感じた俺は首を縦に振り、頷いてみせた。 「…俺…明日舞と別れるんだ…。あのツリーの飾られた公園で。俺がいなくなった後、舞を頼んだよ?」 唐突に頼まれた内容は理解を示すことができなかった。 別れる?なんで? いなくなる?意味わからん 舞を頼む?俺が? 数々の疑問に答えさせる暇もなく陸は鞄を背負い、教室を後にしていった。 俺はただ、訳もわからないまま校門から出ていく陸を見送ることしかできなかった。 ――――――――
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