第一章―登校―

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 疾きこと風の如く。まさに今の俺だ。  ……微風だけどさ。  妹は、さっき抜かした老人に信号待ちで追いつかれて、 「あのお爺ちゃん、足速いね」  とか驚いてるけど、俺たちが遅いだけだから安心してくれ。ちなみに俺が妹の頭に驚いたというのはここだけの秘密だ。  よし、ここは兄として、1つ応援してやろう。 「頑張れ、妹よ! このペースならきっと間に合う! (二時間目に!)」  半ば諦めムードな俺たちは、それでも着実に学校へ近づいていた。
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