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…考えてどうこうなるもんでもないか…
とりあえず由良のとこに行ってみよう…
もうこの世界に来れないなら、絶対後悔するしな…
最後に由良の顔ぐらいは見て逝きたいものだ。
…あっ…幽霊って本当に飛べるんだなぁ…
しばらく飛ぶと由良の家が見えてきた。
さて、由良の家についたのはいいとして…
…どうやって入ろう?
まぁ幽霊なんだし?もし漫画とかアニメなら壁くらいは簡単にすりぬけられるとは思うんが、世の中そんなにうまくいく…通れちゃったよ…
…うん、死んだ後ってなんでもありなんだなぁ…
えっと、ここは…由良の部屋だな、何回か来たことあるし…
でもなんか俺、はたから見ると変質者だな…勝手に人ん家入って…
まっ、見えないけど
しばらくすると由良が帰ってきたが、由良はいきなり机に突っ伏しまま動かなかった。
「…雷…なんで…なんで死んじゃったのよ…」
…由良
「私達…うまくいってたよね…!?あのときのキス…すごい嬉しかったんだよ…?」
…由良、俺の写真見ながらそんなこと言うのやめてくれ…生きたかったって思っちまうから…この世に…後悔が残っちまうから…
「…結婚だってしたかった…」
…俺だってそうだ…由良の作るみそ汁が飲みたかったよ…
…くそっ!最後に…最後に由良と話すことさえもできないのか…!!!
俺がそう煩わしく思っていると、窓が開き風が部屋に入り込んできた…
「えっ…?雷…?」
…どういうことだ?
「…由良…俺が…見えるのか…?」
「…見える…見えるよ!…雷ぃ!…会いたかった!!!」
そう言って由良は俺に抱き着いてきた。
なんてことだろうね…
まさか本当にもう一度話ができるなんて…
今俺は、神様の存在を信じて疑わないよ…
「ねぇ雷…なんで死んじゃったの…!?」
「俺にだって分かんないよ…」
「…ずっと…このままずっと、一緒にいられる?」
「…それは無理だよ…俺はもう死んだんだ…ただ、由良ともう一度会いたいって心から願ったから…こうやって話ができたんだと思う…多分そんなに長くはいられない…」
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