ドレス

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「ねえ、ドレスは  出来上がってるの?」 「当たり前だろ。  雪には通過まで  教えたくなかったんだ。」 「え。もし落ちてたら  見せてもらえなかったの?!」 「ん、その時はその時で教えたよ。  早速着てみるか!」 私は力強くうなづいた。     快く引き受けたのはいいものの、 実際に着てみてまた自信をなくす。 本当に似合っているのだろうか? 彼の期待を裏切らないだろうか? 私のせいで全て ダメにならないだろうか? そして、あの日のように 彼は私の返事も待たずに 扉を開けた。     「…ゆ…き…!」   「ふ…ぁ…!」 「まだ着れてないなら  そう言えー!!!!」 あわてて扉をしめる大悟君。 私は思わず笑ってしまった。 だってね、ドレスだよ? こんなの一人で 着るものじゃないんだもの…。     結局、次の日に大悟君の お友達が来てくれて 私は無事、ドレスを着る事が出来た。 大悟君は大絶賛をしてくれた。 絶賛しながらも、 ここを直すだとか言って メモをしたりする。 その姿を私は 緩んだ笑顔で見つめていた。     大悟君は、ご飯の時間以外は ドレスにかかりっきりになった。 それでも私は傍に いれることが嬉しくて、 彼の邪魔にならない程度の距離をとり、 作業を見守る。
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