舞い降りた少女

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彼がくれた服は とても可愛らしい物。 ほわほわの白いニット帽子。 白のポンチョに黒いワンピース。 裾だけが赤のチェックなのが またいい。 そして黒いオーバーニーソックスだ。   「いや、マジ似合ってる!  えーっと…名前は?」 「え、っと…ゆ…き…。」 「ん、ゆき?  どんな字書くのさ」 「え、えっと…」 「あ、空から降る雪とかはない?」 「え?」 「違う?」 「そ、それです!」 「へー、可愛いじゃねーか。  んじゃその服に  もっとピッタリだわ。  それのテーマ『ゆきんこ』だもん。」 彼はそう言って笑う。 私も一緒に笑う。 だって、嬉しかったから。 まるで、去年の私に 気づいてくれてたのかな…って。 「あ、あなたは?」 私がおずおずと聞くと ニコっと笑って手を差し出してくれた。 「俺は大悟だよ。  よろしくな、雪」 「は、はい!」    
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