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「おい!そこの格好いい兄ちゃん!」
………ん?僕?
僕は周りを見渡した。福引の屋台のおじさんがこちらに手招きしている。何だ?
秀「何ですか?」
おじさん「それ、そこのスーパーで買い物してきたんだろ?どうだい?一回」
秀「…え」
確かに財布の中には一回分の引き替え券がある。でもな~僕こういうのあんまやらないし…どうせティッシュでしょ。
そんな事を考えていると、後ろから元気なおばさんがバンッと背中を叩いてきた。……痛い。
おばさん「そーよ!一回やってみなさいよ~…って、あら~アンタいい男だね~!一回やってみなって!もしかしたら一等当たるかもよ~?」
秀「一等…?」
おばさんの言葉におじさんが福引の賞品の書いてある張り紙を指して大きな声で言った。
おじさん「おおともよ!一等は何とこの…世界に数十枚しかないといわれる"大人用サンタクロースカード"だ!」
…………は?
大人用サンタクロースカード?僕は意味が分からず首を傾げた。するとおじさんは、奥から一枚の緑のクリスマスっぽい可愛らしい封筒を持ってきて僕に見せた。
おじさん「まーだ中身は見せられねぇが。本来子供の所にしか来ないはずのサンタクロース。しかしどっこい、これがあれば大人だろうと何だろうとイブの夜にならサンタクロースがその持ち主の家に必ずやって来るんだ!しかも、欲しいプレゼントは何でも構わねぇんだぜ!?すげぇだろ!?」
…………は!?
う、嘘くさァ!!何それ!?しかもサンタクロースなんて本当に居るわけないだろ!?温泉旅行とか期待したのに…ただの嘘臭いカードかよ…残念。
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