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その時、携帯の着信音が進を呆然という名の世界から連れ戻した。
「ハッ!!あ、メールか……」
進は携帯を開いた。
画面の中央に、
『メールが一件来ています』と表示してある。
だが、進にはそれをすぐに見ているヒマはなかった。
そのさらに下には、大きな文字で、『8:10』と表示されていたからだ。
「ヤバッ!遅刻はヤバイって!!!」
進は携帯をポケットにしまい、倒れていた自転車を起こし、学校へと急いだ。
自転車の速度はマックスだ。
学校への最後の曲がり角を曲がり、進はホームルーム開始のチャイムの音を学校の校門の前で聞いた。
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