ACT1…発現と初陣

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朝。 小鳥がチュンチュン鳴いている朝。 輝く朝日の中で進は目を覚ました。 夢を見たような気がしたが、忘れた。 夢なんてすぐに忘れるものだ。 進は机に突っ伏していた。 目を開き、人差し指で目やにをとる。 「今日から学校か……」 だるそうな顔でつぶやく。 青空進。 涼修学園1年2組出席番号1番。 黒い髪の毛は四方八方に飛び散っている。 いわゆるチリ毛ってやつだ。 髪質が固く、太いのでなかなかまとまらない。 成績は中の下。 運動はそこそこ。 顔も普通。 体型もマッチョでもないし、太っちょでもない。 別にメガネかけてるわけでもない。 全部が普通だ。 普通ってのが特徴なくらい普通だ。 「昨日宿題終わらせて、そのまま寝ちゃったんだっけ…………」 進は大きなあくびをして、昨日終わった宿題を汚い机から収集した。 全て集めると、両手で持ってトントンと机に軽くたたき付け、揃える。 それを通学用のバックに入れた。 今日は9月3日。 二学期の始業式の日だ。 ハンガーに掛けてあった制服である緑色のブレザーに着替える。 進はバックを持ち、マンガとか、ゲームとかが散らかっている自分の部屋を出ていった。
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