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「おはよ~母さん……」
進は眠い目をこすり、一階のリビングに降りてきた。
「はい、おはよ」
進の母はカウンターキッチンで自分の朝ごはんをせっせと作りながら言った。
先におじいちゃんがテーブルでご飯とみそ汁を食べていた。
食べながらテレビのニュースを熱心に見ている。
政治のニュースになると、「〇〇党はなんにもわかってない」とか、「馬鹿だなコイツは」とかブツブツ独り言を言う。
進にとってはもう70を越えるからボケないでいて欲しいのだが。
もうテーブルには進の朝ごはんが出ていた。
何にもついてないトーストと目玉焼き。それから牛乳。
進は朝、牛乳を飲むのを欠かさない。
でもあんまり身長は高くならなかった。
牛乳をまず一口飲む。
寝ぼけている胃にはそれが1番効く。
これで結構目が覚める。
黙ってパンを食べ、牛乳を飲む。
目玉焼きは最後に食べる。
なんとなくそれが日課だった。
特に理由はないのだが。
「ほら、早く行きなさい。遅刻するわよ!」
心配症というよりせっかちな母が言った。
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